応募総数:144件 

企業・財団名/受賞活動名
メセナ大賞 TOA株式会社
ジーベックホールを中心として行っている音文化啓蒙活動
審査委員特別賞 財団法人京都服飾文化研究財団
「モードのジャポニズム~キモノから生まれたゆとりの美~」展の開催など
メセナ育成賞 株式会社パルコ
「URBANART(アーバナート)」の開催
メセナ企画賞 三菱広報委員会
国際識字年記念・三菱IMPRESSION-GALLERY~アジア子供アート・フェスティバル~の実施
メセナ国際賞 財団法人大同生命国際文化基金
「アジアの現代文芸」プログラムの翻訳出版
メセナ奨励賞 広島信用金庫
「ひろしま平和能楽祭」「青少年のための能楽鑑賞教室」の開催
メセナ地域賞 稚内信用金庫
稚内市での札幌交響楽団定期公演の全面的支援など
メセナ普及賞 財団法人三井海上文化財団
地域住民のためのコンサートの共同主催

 

■メセナ大賞
TOA(株)
ジーベックホールを中心として行っている音文化啓蒙活動
 

活動内容

音響機器メーカーTOA(株)は1989年に、神戸ポートアイランドの本社ビル竣工と同時に「音の情報発信基地」としてジーベックホールをオープンした。周囲の壁全面にスピーカーを埋め込み、多彩な照明やスクリーンなどを備えた300人収容のフリースペース・ジーベックホールは、人と音と空間の関係やこれからの音のあり方を考え、その成果に基づいて新しい音の世界をつくり出す実験空間である。貸ホ-ルのほか、数々の主催イベントを積極的に開催しており、これらの事業を自主運営するために、100%出資の子会社の(株)ジーベックを設立し、企画、制作、運営のスタッフを本社から派遣している。
主な活動の内容としては、1現代音楽やコンピューターを用いた音楽表現のための実験、音の役割を再発見するためのパフォーマンスやイベントなどの自主公演や支援活動2民族音楽、民族楽器の紹介やイベント活動3音の役割、音の重要性を、レクチャーと体験・実験で学ぶ「サウンド&アートワークショップ」の実施4音の役割を意識してもらうため「サウンドスケープ」への関心を高めるためのイベントやコンサートなどの実施、などがあげられる。このように、ジーベックホールではジャンルを超越した個性的な《時間芸術》が素直な形で紹介されている。若手、巨匠を問わず、さまざまな音楽家、特に実験的な活動を展開するアーティストが自由に思うままに活動する空間であり、このような独創的な催しが日常的に継続しているホールは、わが国ではほかに例がない。
独自の理念をもって、興行的には成り立たない実験的、先進的音楽を積極的に取り上げてきたこのホールのユニークな活動が高く評価され、本年度の大賞に決定した。 なお、1995年1 月の阪神大震災のため、ジーベックホールは休業を余儀なくされていたが、6月末からホールを再開することができたことも追記する。

URL http://www.toa.co.jp/


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■審査委員特別賞
(財)京都服飾文化研究財団
「モードのジャポニズム~キモノから生まれたゆとりの美~」展の開催など
 

活動内容

京都服飾文化研究財団は、公益のために服飾文化資料の収集・保存・研究をおこない、その成果を広く公開し、国内外の服飾文化の発展に寄与すべく、(株)ワコールによって1978年に設立された。これまでに収集した服飾資料・図書文献はともに1万点近くを数え、国内外での展覧会の開催、海外美術館への資料出展、定期的な研究誌の発行などを行ってきた。
同財団の活動は、ワコールからの恒常的な寄付・協賛と社員9名による資金・人材両面でのバックアップを受け継続してきた。その中で、同財団は西欧より収集した服飾資料に、日本独自のデザイン・着装方法等の影響が見られることに着目し、作品を通じてモード史におけるジャポニスムの検証を進めてきた。この成果は1994年4月から2か月間にわたって京都国立近代美術館で開催された「モードのジャポニスム ─ キモノから生まれたゆとりの美 ─ 」展として結実。東西文化の相互性に新たな視点を切り開いたとして、国内外から高く評価された同展は、開催にあたって海外の美術館等より出展品を借用する必要があったが、各美術館から寄せられた高い関心によって、国際的な協力関係が実現した。同展と同時に開催された国際博物館会議コスチューム委員会・京都会議では、同財団がホスト役を果たし、服飾文化の国際交流の推進に大きな役割を演じた。ちなみに同展は来年、パリ・東京へ招聘されることが決定している。
こうした一連の活動は、財団の17年にわたる継続的な活動の集大成として高い評価を受け、今回の審査委員特別賞の授賞となった。


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■メセナ育成賞
(株)パルコ
「URBANART(アーバナート)」の開催
 

活動内容

1980年、イラストレーションが大衆レベルの視覚文化として存在感を表し始めた時期、(株)パルコは「日本グラフィック展」(1980~1991)に続いて「オブジェTOKYO展」(1985~1991)を開催し、1980年代のアートシーンを切り拓く先駆的な役割を果たした。1990年代に入り、アートは既成の「グラフィック」や「オブジェ」といった枠組みでは捉えられないという認識で、先の二つの公募展を統合し、1992年、「URBANART」をスタートさせた。
「URBANART」(アーバナート)は、URBAN=都市とART=芸術の合成語。このクリエイティブなネーミングでヴィジュアルアートの世界に、創作活動への支援体制を確立した公募展は、その企画の独自性において従来のコンペティションとは一線を画するもので、つねに着実に「いま」をキャッチしているのが特色である。これまで4回の開催で、8,000 点もの創作応募を数えた。また、ミラノにおいて展覧会を開いたり、シンガポールで作品公募を行うなど、国境を越えた芸術交流をめざしている。さらにアーティストの育成・情報交換の場として「オークション」の企画を始めるなど、つねに多角的な活動を推進している。
これらの経緯・実績から、日比野克彦・タナカノリユキ・谷口広樹・内藤こづえ・馬田純子・長島有里枝ら実力派スターが誕生するなど、数多くの才能を輩出してきた実績が評価され、今回の授賞になった。

URL http://www.parco-city.co.jp/

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■メセナ企画賞
三菱広報委員会
国際識字年記念・三菱IMPRESSION-GALLERY ~アジア子供アート・フェスティバル~の実施
 

活動内容

これはアジア23の国と地域の、6~12歳の子供たちから「1作品7枚綴りの絵日記」を募集し、日本国内と参加各国で展示紹介するという活動であり、三菱広報委員会がアジア太平洋ユネスコ協会クラブ連盟と日本ユネスコ協会連盟の協力を得て、国連の制定した国際識字年にあたる1990年より実施している。 1990年から94年までの5年間にアジア各地を3期に分けて作品を募集。それぞれの参加国・地域の選考を経て、東京での最終選考によって、国・地域ごとにグランプリ各1作品、各国優秀賞などを選び、各国のグランプリ受賞者を副賞として日本に招待し表彰した。
来日した子供たちには日本や日本人を正しく理解してもらう機会となり、子供どうしの国境・文化・言葉を超えたふれあいの場となっている。また優れた作品は「アジアの子供たちの絵日記展」として各地で展示され、お国ぶり豊かな色彩やタッチで描かれた子供たちの作品は来場した多くの人々に感動を与えた。
さらに応募された優秀作品は、「アジアの子供たちの絵日記展」として日本各地および参加各国で展示されるだけでなく、参加国の識字教材をつくり、識字教育にも活用されている。 特に1994年からは、2年に1回、日本を含む24の国と地域から1度に作品を募集・展示することになるなど、この活動はめざましい発展を見せている。
このように、国際的視野に立つ優れた企画が高く評価され、メセナ企画賞の受賞となった。

 

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■メセナ国際賞
(財)大同生命国際文化基金
「アジアの現代文芸」プログラムの翻訳出版
 

活動内容

(財)大同生命国際文化基金は、1985年大同生命保険(相)の創業80周年を記念して、わが国と諸外国との人と文化の交流を通じ、国際的相互理解の促進を図ることを目的に設立された。
設立と同時に開始した「アジア現代文芸」プログラムは、めざましく発展するアジア諸国の今日の姿を小説、詩歌、随筆、戯曲、評論等々の紹介するというもの。これは「文芸は民族の心を浮き彫りにし、それを生んだ国々の姿を映すたしかな鏡である」との考えにもとづいて始められた。これまでインド、パキスタン、ミャンマー、タイ、ラオス、インドネシア、マレーシアの7か国の作品27冊を翻訳出版し、大学や公立図書館に寄贈してきた。その延べ冊数は5万9千冊にものぼる。
また、1989年からは日本の文芸を世界に発信するプログラムも始め、タイ語やウルドゥ語の翻訳本も出版した。アジアの文芸作品は欧米の文学と比較して読者数が限られており、商業ベースに乗りにくいため、大手の出版社が翻訳出版を試みることは少なく、大同生命の財団の地道な活動は意義深い。
「アジアの時代」を迎えて、その国際性が高く評価され、今回の授賞となった。

 

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■メセナ奨励賞
広島信用金庫
「ひろしま平和能楽祭」「青少年のための能楽鑑賞教室」の開催
 

活動内容

「アマチュアによる発表会はあるけれど、プロによる演能を観る機会がない」。1991年、広島市に本格的な能舞台が完成したことを機に、広島市能楽愛好者連盟を中心とした広島市民の要望が高まり、広島信用金庫は自身が推進母体となって「ひろしま平和能楽祭実行委員会」を組織。同信用金庫内に事務局を設置し、8名の職員が中心となって企画・運営のすべてを手づくりでおこなっている。
毎年、観世・喜多・金剛・宝生の各流派より出演者を迎え、質の高い演能を無料で提供しており、過去5年間に日本・アジア各国から招待した観客は総計4,000名にのぼる。また、若い人たちにも能楽に親しんでもらいたい、と「青少年のための能楽鑑賞教室」も開始。広島市および近郊の高校生を、授業の一環として無料招待し、解説と実演を通して能楽の面白さを伝える努力をつづけている。
こうした活動は古典芸能の振興において貢献度が非常に高く、また地元の芸術文化の質の向上にもたらした功績の大きさが高く評価され、メセナ奨励賞の授賞となった。 継続こそ力なり、と今年3月には「財団法人ひろしん文化財団」を設立。市民の声を発端に始められた同信用金庫の能楽振興は、資金面での安定も確保され、ますます本格化しそうである。

 

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■メセナ地域賞
稚内信用金庫
稚内市での札幌交響楽団定期公演の全面的支援など
 

活動内容

稚内市での札響定期公演は1986年以来毎年6月に開催され、1995年で10年周年を迎えた。この定期公演を実現させているのは、稚内信用金庫を軸とした地元の水産加工企業や建設会社など15社からなる「稚内音楽文化協議会」である。
きっかけは、1984年の稚内総合文化センターのこけら落としで、札幌交響楽団と300 人の市民による「第九」の大合唱がたいへんな盛り上がりを見せ、大きな反響があった折「1度きりで終わらせず、札響の定期公演の機会をつくりたい」と動いたことである。同信用金庫は協議会創設時から理事長が会長をつとめ、現在まで継続して事務局を担当するなど、活動の中心となり、積極的に運営にあたっている。3000円の入場料、中学校招待や小中学生1日音楽教室の開催なども効果をうみ、住民のクラシック音楽に対する興味や関心は膨らみ入場者は年々増えている。また、同信用金庫は他にも同協議会を通じてPMFなど音楽への支援をしている。
こうした地域文化育成に寄与してきた功績が高く評価され、今回の授賞となった。 なお同信用金庫は、1993年北海道が創設した第1回「北海道地域文化選奨特別賞」および「企業市民文化賞」を受賞している。

 

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■メセナ普及賞
(財)三井海上文化財団
地域住民のためのコンサートの共同主催
 

活動内容

近年全国には多数公共ホールが建設されているが、文化の拠点としての役割を十分に果していない所も多い。1988年に三井海上火災保険(株)(当時は大正海上火災)が創立70周年を記念して設立した三井海上文化財団は、こうした状況を鑑み、各地の公立文化ホールにわが国の著名なクラシック音楽の演奏家(独唱から室内楽まで)を派遣し、都道府県ならびに市町村と共同主催により、質の高いコンサートを提供する活動を行っている。
開催地は毎年10月末締切りで都道府県の文化担当局に案内して、次年度の開催希望市町村を公募し、年間30市町村を選定している。同財団は音楽家の出演料、交通費、宿泊料を負担し、入場料はできるだけ低く押さえ現地主催者がポスターやプログラムを作成する費用などにあてている。また、コンサート運営の手引きを作成し、ポスターやプログラムの作り方、演奏家の受け入れ方、ステージ上の準備、アナウンスなど自主的な演奏会を開く際に役立つノウハウを伝えるなど、「音楽を与える人材」づくりに貢献してきた。さらに、コンサート終了後、演奏家を囲んで交流会をおこなって、アーティストと文化ホール、地元の支援者との結びつきを強める一助とするようアドバイスしている。
このように地域の文化普及に貢献していることが高く評価され、メセナ普及賞の授賞となった

 

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