応募総数:159件 

企業・財団名/受賞活動名
メセナ大賞 株式会社東急文化村
複合文化施設Bunkamuraの運営
メセナ育成賞 野村證券株式会社・松下電器産業株式会社・日本航空株式会社・トヨタ自動車株式会社
パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)への協賛
メセナ企画賞 フィリップ モリス株式会社
フィリップ モリス アート アワードの実施
メセナ国際賞 安田火災海上保険株式会社
ゴッホ美術館新館の建築支援
メセナ奨励賞 今井書店グループ
読書と出版文化発展のための支援活動
メセナ地域賞 住友生命保険相互会社
いずみホールの運営
メセナ普及賞 カルビー株式会社ほか後援会加盟社
能楽研究・公演団体「橋の会」の支援

 

■メセナ大賞
(株)東急文化村
複合文化施設Bunkamuraの運営
 

活動内容

東急グループは、1989年、東京・渋谷にホール(「オーチャードホール」)、劇場(「シアターコクーン」)、 映画館(「ル・シネマ」)、美術館(「ザ・ミュージアム」)からなる複合文化施設Bunkamuraを開館させ、本年で10周年を迎えた。企画・運営・施設管理にあたる(株)東急文化村は、採算をとることよりもテーマ性、先見性のある質の高い企画を行うことを優先し、これまで350にも及ぶ多彩な企画を実施してきた。
東京フィルハーモニー交響楽団とフランチャイズ契約を結び、またオペラも自主制作してきたオーチャードホール。演出家の串田和美、蜷川幸雄らを芸術監督に迎え、「コクーン歌舞伎」「中島みゆきの 夜会」など数々のヒットを生み出したシアターコクーン。芸術性の高い作品を紹介しつつ、興行的にも成功を収めてきたル・シネマ。近・現代美術に焦点を当て、「パリ・オランジュリー美術館展」などが話題を集めたザ・ミュージアム。 これら、どの施設にも独自のカラーがあり、それらが有機的に絡み合い、Bunkamuraは新たな文化を 創出することに成功してきた。
また、外部専門スタッフが企画に加わるプロデューサーズ・オフィスやシーズン制などの運営システムは、他の文化施設にも大きな影響を与えてきた。とりわけ、全体の運営に対し、多額な資金援助を継続して行うオフィシャルサプライヤー制(現在は日本電気(株)、鹿島建設(株)、(株)日立製作所、東京急行電鉄(株)、(株)東急百貨店の5社)は、メセナ・ブーム以前1989年当時、大変な話題となった。現在もオフィシャルサプライヤーからの資金援助は、Bunkamura運営の貴重な財源となっている。
さらにはオーチャードホールアワードや、ドゥマゴ文学賞、シアターコクーン戯曲賞などの贈呈を通じ、来る21世紀に向けて、新しい才能の発掘、育成にも努めている。 常にエネルギッシュな文化を発信し続けはや10年。国立美術館の独立行政法人化なども取りざたされている中で、経済性と芸術性のバランスを厳しく追及し続けてきたBunkamuraには、「明日のメセナ」でも中心的な役割を果たすことが期待される。

企業プロフィール(1999年5月末現在)

本社所在地 東京都
業 種 複合文化施設の管理・運営
創立年 1988年
資本金 4,500万円
従業員数 300人
URL http://www.bunkamura.co.jp/


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■メセナ育成賞
野村證券(株)・松下電器産業(株)・日本航空(株)・トヨタ自動車(株)
パシフィック・ミュージック・フェスティバル(PMF)への協賛
 

活動内容

1990年、故レナード・バーンスタインの提唱により創設された国際教育音楽祭PMFは本年10周年を迎えた。音楽祭の名称である「パシフィック」は太平洋を指す言葉であるが、同時に「平和」を意味する言葉でもあり、音楽を通して世界中の人々の心を結び、平和を実現したいというバーンスタインの願いが込められている。
毎夏、世界中からオーディションで選ばれた若手音楽家たちがPMFの開催地・札幌に集結。ウィーン・フィルの首席奏者ら世界を代表する音楽家たちから、約1ヶ月間、オーケストラ・プレイヤーとして、また優れたアンサンブル奏者としての密度の高い訓練を受ける。その成果は北海道内の市町村をはじめ、 東京、大阪など各地で開かれるコンサートで披露され、若さあふれるひたむきな演奏は、毎年、日本中で感動を呼んでいる。これまでにPMFで学んだ若手音楽家も1000名を超え、卒業生たちは奏者または指導者として世界中で活躍、新しい時代の音楽界を支える力となっている。
PMFでは、財政的に恵まれない若手音楽家でも、その能力を十分に伸ばすことができるよう、会期中の費用のほとんどを主催者側が負担している。その運営費のほとんどは札幌市や北海道などからの公的補助金のほか、野村證券(株)((財)野村国際文化財団を含む)、松下電器産業(株)、日本航空(株)、トヨタ自動車(株)という4社の特別協賛社と、200社にものぼる地元企業からの資金援助によりまかなわれている。とりわけ特別協賛社4社は全運営費の半額近くを支援しており、その功績は大きい。
4社の支援は資金援助だけにとどまらず、海外でのアカデミー生募集活動や、国内各地で行われる演奏会でのファンドレイジング、ホームページやCDの製作など多方面に及ぶ。また、PMFの主催団体であり、最高議決機関であるPMF組織委員会に1名ずつ委員を出すほか、頻繁に調整会議を実施。PMFの一層の充実と、支援体制の強化をはかるため、積極的に意見交換を行っている。
そのほか地元住民もボランティアで運営に参加しており、こうした行政、企業、市民らの「協働」の精神に支えられ、PMFは10年間で世界三大教育音楽祭の一つに数えられるほどにまで成長した。

URL http://www.pmf.or.jp


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■メセナ企画賞
フィリップ モリス(株)
フィリップ モリス アート アワードの実施
 

活動内容

フィリップ モリス(株)は、同社のアメリカ及び世界における現代美術支援の伝統と、日本の若い才能が世界の現代美術の中心であるニューヨークでデビューするメカニズムがないという問題点を結びつけ、1995年に「フィリップ モリス アート アワード」を創設した。これは、近年活況を呈し始めた日本の現代美術界から、今後国際的な発信力を持ちうる可能性をもった未知のアーティストを作品公募によって発掘し、東京及びニューヨークでの展覧会などを通じ、国際舞台へのデビューをサポートするプロジェクトで、2年に1度のビエンナーレ形式で行っている。
応募資格は日本に在住する20歳以上40歳以下の若手作家としており(国籍は不問)、第2回目となる1998年度は1420点の作品が寄せられた。
これらの応募作品は、まず3名の国内審査員による1次審査で100点に絞られる。選ばれた100作品は東京での展覧会に出展され(1998年度の会場は東京国際フォーラム)、2次審査員である世界6か国7名の現代美術専門家はその場で実際に作品に触れ、アーティストと直接言葉を交わしたうえで審査を行う。
入賞した7名のアーティストには各200万円の賞金を贈られるほか、ニューヨークにおけるグループ展で作品を発表するチャンスが与えられる。1998年度の展覧会は1999年1月にニューヨーク大学グレイ・アート・ギャラリーで「ザ・ファースト・ステップス-日本の新鋭アーティストたち」と題して行われ、ニューヨークタイムズをはじめ同地のマスコミでも大きく取り上げられた。また、ここには有力な美術関係者も多数集まるため、その後ニューヨークに創作活動の場を移したり、当地のギャラリーで個展を開催するチャンスを得た作家を輩出している。
さらに1次審査を通過した100人の作家にも、アメリカのスカラシップ情報や、サザビーズのオークションへの出品依頼の情報を提供している。同社のきめこまやかなアフターケアのサポートに後押しされて、国際アートシーンに第1歩を踏み出した若きアーティストたちの今後の活躍が本当に楽しみである。

企業プロフィール(1999年1月末現在)

本社所在地 東京都
業 種 たばこの輸入及び販売
創立年 1985年
資本金 5,000万円
従業員数 172人


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■メセナ国際賞
安田火災海上保険(株)
ゴッホ美術館新館の建築支援
 

活動内容

印象派画家、フィンセント・ファン・ゴッホの作品を収蔵するオランダ・アムステルダムのゴッホ美術館は、1973年に開館した当初、年間入場者数を6万人と見込んでいた。しかし、その数は年々増加し、1980年代後半には100万人を超え、手狭となったため、新館(ニューウィング)の建設を計画した。
1990年秋、同館は安田火災海上保険(株)に建設資金の寄付を要請。これは同社が1987年にゴッホの「びまわり」を約53億円で購入するなどゴッホ美術に理解があり、また、安田火災東郷青児美術館の運営などを通じて社会貢献活動を行っている企業であるということから白羽の矢がたてられたもの。
同社では、日本と歴史的に深いつながりのあるオランダとの文化交流に貢献し、日蘭両国の有効の促進をはかることができると考え、このゴッホ美術館からの寄付要請を応諾した。
寄付は国際交流基金を通じ、1991年から1998年10月まで、5回に分けて実施。その総額は3750万ギルダー(日本円にして約25億円)にものぼった。
1999年1月に完成した新館の設計は日本人建築家の黒川紀章が担当。半円形をした、地上1階、地下2階の延べ床面積5000平方メートルの建物は日本の思想である「共生の思想」をコンセプトにしている。また2階の1区画にはゴッホと弟のテオが収集した浮世絵を常設展示するコーナーが設けられるなど、日蘭の文化交流の一助も担っている。
ゴッホ美術館新館は、工事のために閉館していた本館部分とともに6月24日から一般公開された。オープニング記念の展覧会としてオルセー美術館との共同企画で「テオ・ファン・ゴッホ展」を開催。また前日には日蘭交流400周年の記念事業として、新館完成記念式典が行われ、オランダのベアトリクス女王、文化大臣、在オランダ日本大使などが出席するなど、内外の注目を集めた。
今後、本館は常設展、新館は企画展用のスペースとして利用される予定。世界中のゴッホファンには最高の贈り物となった。

企業プロフィール(1999年3月末現在)

本社所在地 東京都
業 種 損害保険業
創立年 1988年
資本金 584億円
従業員数 11,319人
URL http://www.sompo-japan.co.jp/

 

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■メセナ奨励賞
今井書店グループ
読書と出版文化発展のための支援活動
 

活動内容

鳥取・島根両県に30店舗を有する今井書店グループが、1972年に創業100年を迎えた際、日本海新聞で紙上座談会を行われた。このとき紙面には「文化運動の拠点に」「市立の図書館をぜひとも」「地方の出版も盛んにしよう」という見出しが踊った。同グループでは、これを社会に振りだした約束手形であると受け止め、以後、読書と出版文化を発展させるべく、さまざまな活動を行ってきた。
最初に手がけたのは、鳥取県内に図書館を設立する運動である。グループの一つ、 米子今井書店の永井伸和社長は、紙上座談会の翌月、住居近くの町民会館の一室を借りて児童文庫を開いた。以後、鳥取市内の書店の売場スペースに子ども図書室を設け、児童図書を無料で貸し出した。市民にも「子ども文庫を作ったら、本を50冊寄贈します」と呼びかけ、この活動は鳥取県全域に広がっていった。
1987年には模擬的な図書館を作り、目に見える形で自分たちの主張を訴えようと、鳥取県民の実行委員会を組織し、専門書、文芸書、美術書、地方出版など約3万余点を一堂に集めて展示する「本の国体」と呼ばれたブックインとっとり'87「日本の出版文化展」という大イベントを開催。その際、会場で投票を行い、翌年優れた地方出版物に「地方出版文化功労賞」も贈呈した(実行委員会では「本の国体」終了後も同賞を毎年贈呈し続けている)。 これらの活動を行うにあたり、同グループは、市民が主役で自らは裏方に徹するという運営方法をとってきた。地道な市民参加の運動はさまざまな広がりを見せてゆき、鳥取県内には次々と図書館が誕生していった。
ほかにも書店人の育成が出版文化の発展には必要であるとの考えから、1995年にドイツの書籍学校を範に「本の学校」を設立。米子市内に建てられたこの施設には、1階に25万冊の在庫を有する売場、2階に子ども図書室や研修室などもあり、本の企画、編集、印刷・製本、流通、書店における販売実務などの基本講習が行われている。あわせて、読書推進事業にも取り組んでいる。
今井書店グループには、今後も山陰という枠をはるかに超えて、日本の出版文化を担う一翼として活動していくことが期待される。

企業プロフィール(1999年8月末現在)

本社所在地 鳥取県
業 種 書籍の出版・販売・印刷業
創立年 1872年
資本金 800万円
従業員数 100人
URL http://www.hon-no-gakkou.com/

 

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■メセナ地域賞
住友生命保険(相)
いずみホールの運営
 

活動内容

大阪城周辺に位置する大阪ビジネスパークは、大阪の新都心として情報・文化・国際化の拠点となっている。1990年4月、住友生命保険(相)は、大阪ビジネスパーク内社有ビルに、クラシック音楽専用のいずみホールを開館。以来「超一流のホールで超一流の音楽の提供」を合い言葉に、主催、貸し館公演を開催し続け、1999年で10年目を迎えた。
オーストリアの「ウィーン楽友協会大ホール」をイメージしたこのホールは、演奏家と聴き手が一体となれる理想の「音場(おんば)」を作り出すために最高の技術を結集して作られた。音響効果を考えシャンデリアのデザインや座席の背もたれの角度まで工夫して設計され、静寂度という点でも国内トップクラスを誇る。
また、国立音楽大学の礒山雅教授を音楽ディレクターとして迎え、「ウィーン音楽祭 in OSAKA」や「My Favorite Gershwin」など毎年1つのテーマに絞りする「年間シリーズ」や、バロック音楽を提供する「音楽の原点への旅」などの主催公演を実施。貸館公演も含め年間250から260回の公演が行われ、821席という中規模なホールにふさわしい、広い意味での室内楽を提供し続けている。一方では21世紀の音楽創造にも開かれたホールでありたいという願いから、指揮者・岩城宏之、評論家・武田明倫の企画・監修による「音楽の未来への旅」と題した現代音楽のコンサートシリーズも10年間実施。このシリーズは2000年から作曲家の西村朗に引き継がれ新たな展開を計画している。
これらの主催コンサートは音楽事務所まかせではなく、自前の手作り企画が中心である。また、それに対し他企業から多くの協賛を受けていることも特徴として挙げられる。こうしたことは主催コンサートの質が高く評価されていることの証明とも言えよう。
また1998年からは企業が運営する音楽ホール(東京の紀尾井ホールと愛知のしらかわホール)とも提携し、いくつかの公演を共同で企画するなど、運営にもさまざまな工夫をこらしている。1999年3月には総入場者数が120万人を超え、大阪の音楽シーンを代表するホールとして、さらなる飛躍が期待される。

企業プロフィール(1999年6月末現在)

本社所在地 大阪府
業 種 生命保険業
設立年 1926年
資本金 1,690億円
従業員数 66,853人
URL http://www.sumitomolife.co.jp/

 

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■メセナ普及賞
カルビー(株)ほか後援会加盟社
能楽研究・公演団体「橋の会」の支援
 

活動内容

カルビー(株)は、他の後援会加盟社(1999年6月現在、カルビー(株)を含め27社)と協力し、民間の能楽研究・上演団体である「橋の会」(中村雄二郎理事長)の活動を支援している。
橋の会は1980年に発足して以来、能楽の可能性を掘り起こし、現代芸術としての発展を目指し、精力的に公演やシンポジウム等を開催している団体。年3回程度のペースで行っている定例公演の開催数も1999年6月までに58回を数え、その間、能の復曲、新作能の上演、能楽堂以外の場所での上演などを試みてきた。
カルビー(株)は、1983年の第12回公演から橋の会の活動を支援している。支援を開始するにあたって、同社の松尾聰会長は「橋の会のような活動は1社ではなく、多くの企業で支えた方がよい」と考え、理研ビタミン(株)の曽根博・現相談役ら取引先企業の経営者に働きかけて後援会を組織した(法人会員は1口30万円、個人会員は1口5万円の年会費を納めている)。
同時に、「他社に支援を呼びかける以上、財政面がきちんとしていなければならない」と、社内にその事務局を設置。事務局の業務は、橋の会の会計・経理、後援会費の請求、新規後援会員の勧誘、総会の運営などと多岐にわたっており、数名の社員が実務を担当している。また、同社自身も多数口の年会費を納めている。
年会費のほかにも、同社は橋の会が公演を行う都度、別途多額の寄付を行っている。
さらに1994年に橋の会がフランスのアヴィニョン演劇祭に日本を代表して参加したり、1996年に上海の国立復旦大学で「日中比較演劇シンポジウム」を開催した際にも、特別に資金援助を行った。
能楽の研究・公演という活動は非常に採算が取りづらく、財政上の理由から活動を停止した団体も少なくない。そうした状況の中、カルビー(株)はじめ後援会各社の力強い支援を受け、橋の会は安定した財政基盤を得て活動を続けてくることができた。同会がこれまで行ってきた活動は、すでに国内外で高い評価を受けているが、今後さらに能楽の世界に新風を吹き込み続けてゆくことが期待される。

橋の会後援会・法人会員(50音順)
(株)イシダ、伊藤忠産機(株)、王子製紙(株)、オリックス(株)、カルビー(株)、カルビーポテト(株)、(株)三和銀行、三和工業(株)、スナックフード・サービス(株)、住友信託銀行(株)、第一生命保険(相)、大日本印刷(株)、チヨダコンテナー(株)、東洋インキ製造(株)、凸版印刷(株)、(株)トッパン・コスモ、鳥越製粉(株)、日清製粉(株)、日本製粉(株)、(株)ビデオプロモーション、福岡製油(株)、(株)富士銀行、富士通(株)、不二製油(株)、(株)明通、理研食品(株)、理研ビタミン(株)

企業プロフィール(※カルビー(株) 1999年6月末現在)

本社所在地 東京都
業 種 菓子・食品の製造・販売
創立年 1949年
資本金 2億2,100万円
従業員数 2,604人
URL http://www.calbee.co.jp/
 
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