7月18日(金)に第3回メセナ美術部を開催しました。今回おうかがいしたのは、東京・飯田橋の凸版印刷本社に隣接する印刷博物館。人類の発展に大きく貢献してきた印刷の役割や意義を伝え、「コミュニケーションメディア」としての可能性を考える博物館です。

DSC_0135.jpg

 

まずは、1階にあるP&Pギャラリーで開催されていた「グラフィックトライアル2014 ―響。ひびき―」を見学しました。グラフィックデザインと印刷表現の関係を追求することで新たな表現を模索する、というコンセプトのもとに展示されていた4名のクリエーターによる作品と、その制作過程の「実験」の数々を学芸員の方に一つひとつ解説いただき、じっくりと堪能しました。

10491981_655552311195326_2676217983186572369_n.jpg

続いて向かったのは、印刷文化をさまざまな方向から紐解く「総合展示」です。地下1階の入口から続く「プロローグ展示ゾーン」では、印刷の誕生から現代までの歴史が壁一面に展示されています。学芸企画室長の宗村泉さんに解説いただきながら、一歩ずつ印刷の歴史をたどったら、いよいよ総合展示ゾーンです。ブロックごとに古今東西のあらゆる印刷技術が展示されていました。江戸時代の絵草紙屋が再現されていたり、印刷技法のバリエーションをクイズ形式で楽しむ展示があったり…。当時使われていた道具を手に取って試すこともできます。落ち着いた照明のもと、参加者の皆さんが思い思いのペースで各ブロックを見学をされていました。展示の内容もさることながら、その見せ方にも創意工夫が施され、印刷技術が文明の発達にいかに大きな役割を果たしてきたのか、さまざまな角度から知ることができ、印刷の奥深さに引き込まれました。

10563200_655552274528663_3190743356740713836_n.jpg

DSC_0110.jpg

 

そして、いよいよ印刷工房「印刷の家」での活版印刷ワークショップ。恐らく、今回の美術部に参加された方のほとんどが初めて体験されたのではないでしょうか。2人で一組となって、18世紀のイギリスで使用されていたという活版印刷の機械を使い、栞を作りました。“Practice makes perfect”(習うより慣れろ)や“Seeing is believing”(百聞は一見にしかず)など、栞に刷る文章を選び、活字を一つひとつ拾っていきます。活字は落としたりぶつけるとすぐに形が変わってしまうと聞き、小さくて薄い「i」は拾うのも組むのもはらはらしました。単語の間にスペースを入れ、ずれないように丁寧に版を組みます。機械に版をセットして数回に分けてインクをしっかりつけたら、栞用の紙に思い切って版をあてて、できあがり!インクが乾くまで一晩かかるそうです。触らないようにそっと紙に挟んで、素敵なお土産となりました。想像以上に繊細な活版印刷体験でした。

DSC_0111.jpg

見学と印刷体験のあとは、宗村室長によるトークです。限られた時間でしたが、参加者の方から質問を募り、たくさんのお話をいただきました。世界には印刷博物館がたくさんあり、日本にも貴重なコレクションを持つ博物館は多くありますが、ここまで大規模な展示をしているのはこの博物館だけだそうです。また、印象的だったのは、「印刷の家」のワークショップで印刷の方法を教えてくださった方々は、自ら手をあげて担当となられた凸版印刷の社員さんだとのこと。印刷と博物館に対する社員の皆さんの愛情を感じました。
聞き足りないことは、続く懇親会の場で宗村さんを囲み、あれこれとうかがいました。じっくりと展示を見させていただき、活版印刷体験もでき、貴重なお話を聞かせていただくという、内容もボリュームもとても贅沢な第3回メセナ美術部となりました!

DSC_0163.jpg

ブログのトップへ
ページのトップへ戻る