株式会社パソナグループ

JOB HUB SQUARE

メセナライター 高野英江
“企業の文化施設・アートスペース” “新会員や話題のメセナ活動”をテーマに、外部ライターによる「メセナの現場」体験記をお届けします。


パソナグループ:JOB HUB SQUARE「大手町牧場」

1月下旬、企業メセナ協議会の2018年度賀詞交換会へお邪魔し、開催場所となったパソナグループ「JOB HUB SQUARE」を巡るツアーに参加しました。

新しい都市型牧場「大手町牧場」
パソナグループのJOB HUB SQUARE 13階のエレベーターを降りて左手を見ると、「大手町牧場」と大きく書かれた入り口が…。高層ビルの立ち並ぶ大手町と、通常、広大な牧草地に立地する牧場。そんなこれまで想像もしなかった言葉の組み合わせに、入る前から想像がかき立てられます。中に入ってみると、窓から見えるビル群を背景に、なんとジャージー牛や豚、山羊などの動物が元気に鳴き声をあげています。ここは、酪農人材の育成や酪農を気軽に知る機会になってほしいと、パソナグループで地方創生事業を行う株式会社丹後王国が運営している、新しい都市型牧場。実際に動物たちと触れ合うだけでなく、乳製品作り体験講座などの食育を目的にしたイベントもあります。酪農に興味を持った方向けの酪農入門講座や、今後希望者には京都にある道の駅・丹後王国「食のみやこ」でのインターンシップも紹介していくなど、具体的な道筋がきちんとデザインされています。さまざまな年齢の人が酪農について広く学べる施設となっています。

地域の魅力を大事にしたコミュニティ型観光案内所「TRAVEL HUB MIX」
その次は1階へ降りて「TRAVEL HUB MIX」へ。ここは、海外からの観光客や、観光について国内外に情報発信したい企業や自治体、気軽に観光情報を得たい人など、さまざまな立場の方が利用できる、コミュニティ型の観光案内所。中でも、大型モニター等の最新の映像設備や、その隣にあるライブキッチンカウンターを使用し、これまでにない発想で、企業だけでなく、個人や自治体などのさまざまな観光案内イベントが行われています。大型モニターを使ってGoogle Earthを映し出せば、実際の風景を見ながら話をきくことができ、ライブキッチンカウンターで料理をつくる過程を見ながら、食べ物そのものだけでなく、食にまつわるストーリーを聞くこともできます。そしてなにより、そうした語り手と出会う場となっており、人を知ることで生まれるその地域の魅力を大事にした観光案内所になっています。

JOB HUB SQUAREにアートな雰囲気を醸し出す「アート村工房」
「TRAVEL HUB MIX」の隣に位置する「アート村工房」では、「才能に障害はない」をコンセプトに、パソナハートフルの障害を持ったアーティスト社員が制作した作品が販売されています。アーティスト社員が描いた絵や、それをモチーフにしたファイルなどのグッズ、一つひとつ丁寧に作られたペンケースやポーチなど…。パソナハートフルが運営する農場「ゆめファーム」で農薬を使わず育てた野菜も販売されています。
驚くのは、その製品のクオリティの高さで、パソナのクライアントからも、カレンダーやお土産品にも選ばれるほどの品質を誇っています。エレベーターのドアには、ひとつひとつ違う作品が描かれており、なんとそれを手がけているのもアーティスト社員。パソナグループのJOB HUB SQUAREのアートな雰囲気をつくり出しています。

オフィスで働く人々のためのジム「@Health+Care」
最後に向かったのは、JOB HUB SQUAREのビル内に勤めている人ならだれでも利用できるジム、「@Health+Care」。オフィスで働く人々の健康促進のためにつくられたジムで、スーツで体験できるコースや、仮眠室もあるそう。また、パソナグループの社員を対象に、8週間で体質を改善するプログラムも受講できます。昨今、さまざまな企業で社員の健康管理が注目されているそうですが、隙間時間を使って気軽に利用できそうな仕組みに、今後の活用への期待が高まります。

パソナグループの「CSR」について
「パソナグループは、「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、「人を活かす」ためのさまざまな取り組みを行っており、事業活動そのものが社会貢献活動でもあります。」とパソナ 石田正則取締役専務執行役員。2003年から地方創生事業にも積極的に取り組んでおり、実際に現場へおもむき社会課題や人と会うことで得た発想が、事業やCSR活動につながっているといいます。
パソナグループのCSR活動とは、さまざまな働き方を支援することを通して、現代社会における人々の生き方そのものや、活躍の場を創り出すということではないでしょうか。人材サービス会社として蓄積したノウハウをもとに、現代社会の課題を見つけ、そこに必要な人や場所を生み出し、育むハブ的な役割を担っています。
パソナグループ各社が結集し、「健康」「インキュベーション」「地方創生」をキーワードに、多様な人材が集うJOB HUB SQUARE。まずは、JOB HUB SQUAREに行ってみてください。プロペラのオブジェやエンジンでつくられた机などがある開放的なエントランスや、野菜などが育てられている緑の多い面談スペースが、その入り口。これからの時代をより良く生きていくためのヒントが得られるかもしれません。

*取材を終えて*


取材の翌朝、パソナハートフルでつくっている無添加のパンをいただきました。パン生地の味がしっかり出ていて、ふわふわで美味しかったです。めずらしいガパオ風の総菜パンがイチオシ! 次回は、本社地下にある株式会社丹後王国が運営しているレストラン「御食国」にも行ってみようと思います。(高野)

 

 

◎訪問日:2018年1月24日(水)
◎訪問地:パソナグループ「JOB HUB SQUARE」 [東京都千代田区大手町2-6-2]

(2018年3月1日)

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