『メセナアワード2014』掲載(2014年11月21日発行)

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赤池 学
「メセナ大賞」に輝いたギャラリーエークワッドの企画展示は、さまざまな視座から建築とまちづくりの胎動を伝え、空間構成そのものを見せる活動であり、実に秀逸である。電通の「広告小学校」プロジェクト、日本工営のケニアにおける読書文化普及活動など、いずれも芸術や音楽にとどまらず、自社の競争基盤を活かしながら、産業文化の啓発を行う活動がメセナとして顕彰されたことにも、大きな意義を感じている。

あかいけ・まなぶ
ユニバーサルデザイン総合研究所所長
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1958年東京都生まれ。筑波大学生物学類卒。社会システムデザインを行うシンクタンクを経営し、ソーシャルイノベーションを促す、環境・福祉対応の商品・施設・地域開発を手がける。また、製造業技術、科学哲学分野を中心とした執筆、評論、講演などを行う。2011年より[一社]環境共創イニシアチブ、[一社]CSV開発機構の代表理事も務める。
 
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河島伸子
受賞された企業の皆さま、おめでとうございました。これまで、企業メセナに関する理念の策定と社内での共有、それに基づくプログラムの計画・実施の各場面で苦労も多かったことと思います。今年も、全国各地から特色あるメセナ活動の応募があったこと、と
ても心強く思いました。企業メセナが実験的な活動に取り組んでいる点は、日本の文化マネジメントの大きな特徴です。今後とも多様な活動が展開されることを期待しています。
 
かわしま・のぶこ
同志社大学教授
文化経済学会<日本>会長
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東京大学教養学科国際関係論専攻卒。英国ウォーリック大学文化政策研究センターリサーチフェローを経て現職。PhD(文化政策学、英ウォーリック大学)。専門は、文化経済学、文化政策論、コンテンツ産業論。著書に『コンテンツ産業論』、共著に『イギリス映画と文化政策』『アーツ・マネジメント』等。文化審議会委員などを務める。

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椹木野衣
東京オリンピックを控え、なにかと建築の話題が喧しい。近年では技術の限りを尽くしてますます大規模になる傾向があるが、住居や建物は衣服と並んで、私たちの身体と命を包む最初の器である。日本列島やそこに棲む私たちの原点といえる木の存在に立ち返らせてくれるギャラリーエークワッドの活動は、この意味でたいへん啓発的であった。ほかにも今回は、おしなべて私たちの生活の原点に立ち返るものが高い評価を得たように思う。
 
さわらぎ・のい
美術批評家
多摩美術大学教授
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1962年埼玉県秩父市生まれ。90年代初頭より美術を中心に多方面にわたる評論活動を始める。著作に『シミュレーショニズム』『日本・現代・美術』『反アート入門』『太郎と爆発 来たるべき岡本太郎へ』ほか多数。キュレーションした展覧会に「日本ゼロ年」(水戸芸術館、1999-2000年)ほかがある。
 
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福岡伸一
今年も多くの意欲的な応募があり、選考委員としてもたくさん勉強させていただきました。中でも、隅田川、ケニア、琉球など地域をキーワードとし、そこに根ざしながら、歴史や工芸、あるいは読書推進といった文化の時間軸を応援しようとする特色ある試みに注目いたしました。受賞プロジェクトのさらなるご発展に期待いたします。
 
ふくおか・しんいち
生物学者、青山学院大学教授
ロックフェラー大学客員教授
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1959年東京生まれ。京都大学卒。米国ハーバード大学研究員、京都大学助教授等を経て現職。サントリー学芸賞・中央公論新書大賞受賞の『生物と無生物のあいだ』、『動的平衡』など「生命とは何か」をわかりやすく解説した著作多数。ほかに『世界は分けてもわからない』『フェルメール光の王国』、近刊に文庫版『せいめいのはなし』。
 
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松岡正剛
2014年度の「メセナアワード」はメセナの老舗が並び、新人や新奇の突破を許さなかった。残念ともいえるし、本格企業のたゆまぬ努力が稔ったともいえる。中で日本工営と琉球銀行が奮闘した。各社がエークワッドの水準に追いつき、追いこすことを期待する。
 
まつおか・せいごう
編集工学研究所所長
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1944年京都生まれ。工作舎設立、オブジェマガジン『遊』編集長、東京大学客員教授、帝塚山学院大学教授を経て現職。情報文化と情報技術をつなぐ研究開発プロジェクトに携わる。日本文化研究の第一人者として私塾を多数開催。著書『松岡正剛千夜千冊(全7巻+特別巻)』『知の編集工学』『日本という方法』『知の編集術』ほか多数。
 
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茂手木潔子
地域の伝統芸術や文化の継承と活性化をテーマとする活動に注目し、そこにある企業だからこそできる、地域が育んできた文化や伝統を尊重した活動を評価しました。地球上の「地域」で、人々の想いを受けた企業人の熱意が優れた貢献活動となった事例、輝く若
者たちの目が支援の結果を示す芸術家育成支援など、多くのすばらしい活動例を前に議論は紛糾しました。ご受賞の皆さま、誠におめでとうございます。
 
もてぎ・きよこ
日本音楽研究
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1949年山梨県笛吹市生まれ。東京藝術大学大学院修了。専門は音楽学。日本各地の伝統音楽研究・継承、公演企画を行う。現在、角兵衛獅子(新潟県)の囃子復元、E.S.モースコレクション日本音楽資料調査に取り組む。著書『おもちゃが奏でる日本の音』『酒を造る唄のはなし』等。日本大学芸術学部、聖徳大学音楽学部講師。
 
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尾﨑元規
今年の応募案件は、当協議会が目指す芸術・文化振興を通じた心豊かな社会創造に合致した広がりをみせる内容だった。社会への訴求力、社会・地域との関わり、経営資源の活用などの点で多様性に富み、今後の活動が期待できるものが多く見られた。「メセナ大賞」は建築という視点で、愉しみながら生活文化を豊かにするのに貢献する活動で特筆すべきものがある。「紅型めんそ~れ賞」も沖縄の伝統工芸の継承と高い芸術性の両立で評価できる。
 
おざき・もとき
[公社]企業メセナ協議会理事長
花王[株]顧問
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1949年長崎県生まれ。72年慶應義塾大学工学部卒業、花王石鹸[株](現・花王)入社。企画部ブランドマネージャー、化粧品事業本部長、ハウスホールド事業本部長を経て、2002年取締役執行役員、04年代表取締役社長執行役員に就任。12年取締役会会長、[公財]花王芸術・科学財団理事長。14年より現職。[公財]新国立劇場運営財団理事長。
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