『メセナ アワード2014』掲載(2014年11月発行)
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メセナ大賞のご受賞、誠におめでとうございます。
ギャラリー開設以来、建築を取り巻く環境や人の営みなど独自の視点で企画を打ち出してこられた点が高く評価されました。
 
ありがとうございます。2004年に本社を移した東陽町や木場は、江戸時代初期から江戸のまちづくりを担う職人が集まった地で、社寺仏閣を多く手がけてきた当社らしい場所だと思っています。木の文化や歴史があり、このまちで暮らす方も多いので、2005年に地域の皆さまと交流や連携ができるスペースとしてギャラリーエークワッドを開設しました。運営メンバーは社内公募して部署を横断した組織としてスタートしました。その後財団法人化し、昨年には公益財団法人へ移行して、今年、10年目を迎えています。
ギャラリーでは、建築に軸足を置きながら、豊かな暮らしとはなにかという観点から企画を展開しています。近年、建設業への期待は、まちづくりや未来つくりへと広がりつつありますが、当社は今後も、日本の気候や風土と調和したものづくりの根底にある「匠のこころ」や「棟梁精神」を大切にしていきたいと考えています。そういう意味で、このギャラリーは、社員がものづくりの原点に立ち返ることのできる場所でもあるわけです。また社会に対しては、建築の愉しみ方について考え、メッセージを発信する存在でありたいですね。開催した展覧会がきっかけで、重要文化財などに認定された案件もいくつかあります。
 
より公益性の高い活動へと広がりを見せているのですね。
 
当社では、ギャラリーエークワッドのほかに、伝統技能やそれを支えて来た大工道具の伝承のための竹中大工道具館、未来の社会を担う人材育成のための竹中育英会の運営支援をしています。メセナアワード2008で「伝統技能継承賞」をいただいた竹中大工道具館は今年で30周年を迎え、10月に新神戸駅前に新館をオープンしました。大工道具館、育英会、ギャラリーの3つの公益法人がそれぞれの強みを活かしながら連携することで、幅広く深みのある事業が展開できています。育英会と共同したワークショップには、地域のお母さまやお子さまがたくさん参加されましたし、海外大学とのコラボレーション企画では、これをきっかけとして、数寄屋造りに興味を持った研究生がいまも大工道具館で研修を受けています。今後もこれらの活動を通じて地域や社会とつながり交流をより深めることで、日本のものづくりを発信していきたいと思っています。
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聞き手・構成:内田秋|荻原康子|坂本麻里絵
 
 
たけなか・とういち 株式会社竹中工務店  取締役会長CEO
1942年生まれ。甲南大学経済学部卒業後、竹中工務店入社。
70年ミシガン州立大学大学院経営学部修士課程卒業。
万博工事本部、企画室などを経て、73年取締役、77年常務取締役、80年取締役社長、2013年より現職。
趣味はスキー、登山。
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