第28回を迎えた「メセナアワード2018」では、「This is MECENAT 2017」で認定された全国152件(85社・団体)の活動より外部の専門家からなる選考会により検討を行い、受賞企業・活動を決定しました。

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■ 大賞 ※賞名/企業名[所在地]/受賞活動

メセナ大賞 株式会社講談社 [東京都文京区]

 

■ 優秀賞 ※賞名/企業名[所在地]/受賞活動。企業・団体名五十音順

みんな笑顔で賞 アコム株式会社 [東京都千代田区]
「笑顔のおてつだい」バリアフリーコンサート アコム“みる”コンサート物語
アートで未来盛り上げ賞 損害保険ジャパン日本興亜株式会社 [東京都新宿区
SOMPO アート・ファンド
芸術創庫賞 株式会社東横イン [東京都大田区]
ART FACTORY 城南島の運営
酒芸の極み賞 八戸酒造株式会社 [青森県八戸市
sake×art 日本酒を通じた陸奥八仙の取り組み
瞬間の芸術賞
富士フイルム株式会社 [東京都港区]

◎最も高く評価された1件が「メセナ大賞」。他の賞は特に評価された点を賞名に反映。

■ 特別賞

文化庁長官賞 ぺんてる株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社
[東京都中央区/東京都港区]
校舎の思い出プロジェクト

 

■ メセナ大賞

株式会社講談社
本とあそぼう 全国訪問おはなし隊
 
活動内容
★自由閲覧1.JPG
1909年に創業した講談社は、書籍の出版を軸に、デジタル事業や海外ライツビジネスなど、時代に即した幅広い事業を展開している。「本とあそぼう 全国訪問おはなし隊」は、次代を担う子どもたちへの読書推進を目的に、創業90周年の記念にスタートした取り組みだ。全国47都道府県におはなしを届け、本好きな子どもに育ってほしいという願いから始まった活動は、同社文化事業の大きな柱の一つとなっている。
4トン車を改造したキャラバンカー2台に、他社の寄贈本もあわせた約550冊の絵本や児童書を積載し、それぞれ1つの県を1カ月かけて巡回する。地域の幼稚園や保育所、図書館など、約50会場ずつ訪問し、紙芝居・絵本の読み聞かせと積載本の自由閲覧を組み合わせた1時間のプログラムを行う。キャラバンカーはどこへでも走り続け、2018年3月までに訪問回数は21,447回、走行距離は約104.2万キロとなった。
読み聞かせは、同社契約スタッフ18名が「隊長」となって地域のボランティアとともに担当し、ドライバーは日本通運に協力を依頼。事前のボランティア説明会やドライバー講習会など、参加者全員が活動の共通認識をもちながら、安全面の配慮も十全に行う。さらに14年からは、現地訪問が難しい僻地校や特別支援学校などにも絵本を届けようと、無償貸出サービス「おはなし えほんバス」を開始。特製の輸送ケースに、同社が発送先に応じて点訳絵本や触る絵本など、季節に応じた良質な本を選び、送料も負担している。
訪問先も新たに拡大し、海外での展開も始まった。絵本の力を信じ、これからも未来を生きる子どもたちの心に寄り添い続けていく。

評価ポイント
経営資源をいかして、子どもたちの情操教育とともに、読書文化の継承に寄与している。
全国各地に応じたきめ細やかな支援を長年にわたって継続し、出版文化の裾野を広げている。

企業プロフィール (2018年4月現在)
本社所在地 東京都文京区
主な事業
出版事業、読書推進事業、顕彰事業
創立年 1909年
資本金 3億円
従業員数 924名
URL

https://www.kodansha.co.jp/

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■ 優秀賞:みんな笑顔で賞

アコム株式会社
「笑顔のおてつだい」バリアフリーコンサート アコム“みる”コンサート物語
 
活動内容
写真_活動紹介アコム_①.jpg『「笑顔のおてつだい」バリアフリーコンサート アコム“みる”コンサート物語』は、1994年に始まったアコムの社会貢献活動である。当初、影絵劇団「かしの樹」に協賛支援をしていたが、同年7月からは同社の主催公演として開始。「誰かのために何かをしたい」「多くの人の笑顔が見たい」「地域社会と良好な関係を築きたい」という思いのもと、2000年からは障がい者も楽しめるよう配慮をしたバリアフリーコンサートとして、全国各地で開催している。
ピアノ・バイオリン・チェロの「生演奏」によるコンサートと、名作童話を演目とした幻想的な「影絵劇」の二部構成で100分間のプログラムとし、地域のお客さまを無料招待している。客席に車椅子専用席を設けるほか、舞台上では手話通訳がおり、来場者全員が手を動かしながら歌う手話うたのコーナーや、影絵劇の説明も行う。人の手や声を通して伝え、世代や障がいを超えた感動を共有できる空間となっている。
当日は「できる人ができることをする」をモットーに、地域の市民ボランティアと同社社員が協力して公演を支える。大田区の知的障がい者就労支援施設で封入されたプログラムやアンケート、スクラッチくじなどを手渡し、景品には開催地の授産施設でつくられた手芸品などを選んでいる。また、地域の福祉施設からの招待者の誘導サポートも行い、自主運営の手づくりのコンサートとして、来場者が安心して楽しめる工夫が散りばめられている。
光と影で彩られた幻想的な影絵劇に、命を吹き込む音楽と語り。すべてが一体となって、感動の世界へと誘う。一人の笑顔が、また次の一人の笑顔につながっていくだろう。

評価ポイント
長年にわたり健常者と障がい者が一つになれる鑑賞機会を創出し、心豊かな文化を発信している。
社員と地域が連携した自主運営のプログラムを通し、全国各地に文化を通じたさまざまな交流を生み出している。

企業プロフィール (2018年10月現在)
本社所在地 東京都千代田区
主な事業 ローン事業・クレジットカード事業・信用保証事業
設立年 1978年(創業1936年)
資本金 638億3,252万円
従業員数 2,044名
URL https://www.acom.co.jp/

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■ 優秀賞:アートで未来盛り上げ賞

損害保険ジャパン日本興亜株式会社
SOMPO アート・ファンド

 
活動内容
★②ベップ・アート・マンス.jpg
「SOMPO アート・ファンド」は、芸術文化の振興を通じた豊かな社会創造を目指し、2016年に設立された。専門分野にかかわる有識者から構成された選考委員会による審査のうえ、これまでに北海道から九州までの54活動に助成を行い、海外アーティストを招致する現代美術のアートプロジェクトから、震災復興を目的とした市民協働の芸術祭、地域に根ざした伝統芸能まで各地で個性豊かな活動が実施された。
芸術文化は都市集中となってしまいがちであるが、本物のアートを家の近くで楽しめることは、地方に住む子どもたちにとってもその世界を広げるきっかけとなっている。また、震災復興の活動については、年月が流れ他の助成が減りつつあるなか、本ファンドにより被災地で継続して活動している団体を支えている。
このファンドは全国各地の芸術文化関係者のネットワークづくりも大きな目的となっており、全国各地で活動を展開する助成団体が一堂に会し、活動報告を行うネットワークミーティングを実施している。他団体との交流の場を創出し、コミュニケーションをとりながら他の活動を知ることにより、相互にクリエイティビティが高められ活動の活性化につながる貴重な機会となっている。
また、同社は全国各地にある拠点を活かし、各地で行われる助成活動に対して、最寄りの拠点がもともと持っていた自治体や企業とのネットワークを活用し協力している。団体だけでは行き届かない方面にも広報することが可能となり、活動に地域的な広がりをもたらしている。
今年3年目を迎えた本ファンドでは、同社が主体的に各助成団体とコミュニケーションをとり橋渡しを行うことにより、各地でアートが創造する未来を支えている。

評価ポイント
このファンドによる助成は一般公募で行われ、大小問わず全国の活動にチャンスを与えている。
全国各地の助成団体が集まる機会を設定し、芸術文化関係者のネットワーク形成に寄与している。

企業プロフィール (2018年3月現在)
本社所在地 東京都新宿区
主な事業 損害保険業
設立年 1888年
資本金 700億円
従業員数 26,189名
URL https://www.sjnk.co.jp/

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■ 優秀賞:芸術創庫賞

株式会社東横イン
ART FACTORY 城南島の運営
 
活動内容
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東京・大田区に位置する人工島、城南島。1970年代に工場用地として区から誘致された土地に、「ART FACTORY 城南島」がある。エコノミーホテルを運営する東横インが倉庫に使用していた場所を、新たな地域コミュニティの場となるアート拠点へと生まれ変わらせた。2014年のオープン以来、アーティストの活動支援と芸術文化の振興を目的に、独自の取り組みを展開している。
総床面積3,500㎡の施設には、大規模展示場をはじめ美術作品の展示室や多目的ホール、浮世絵インスタレーションの常設展示フロアもあり、入場無料で自由に見学できる。さらに、アーティストの制作・加工スタジオを設けて安価に貸し出すほか、15年からは「クリエイターサポートプログラム」を実施。スタジオを一定期間無償で提供し、同社の運営するギャラリーで出展の機会をつくる。利用者の中には著名なギャラリーの取り扱い作家となった者もおり、若手アーティストたちの豊かな才能が花開く環境が整っている。
また、ものづくりの街・大田らしく、技術を発信する場としても幅広く展開。月に一度、制作アーティストや区の町工場と協力して、ガラスや石膏、錫などの加工技術を体験しながら、キャンドルやアクセサリーづくりなどのワークショップを企画している。そのほか、周辺の大森エリアやJR浜松町駅で行うイベントとの共催や、島内の工場とともに施設見学ツアーを開催するなど、区の組合や企業、教育機関と連携して、地域活性化と産業維持に努めている。
近年は羽田空港の国際化に伴い、城南島の魅力をグローバルにも伝える。多様な人と人とがふれあい、まちの新たな文化創造の架け橋となっているのだ。

評価ポイント
土地の特性を活かした独自の芸術文化支援の仕組みをつくり、若手作家の育成に寄与している。
町工場や企業との連携により、地域や地元産業の活性化に貢献している。
 
企業プロフィール (2018年10月現在)
本社所在地 東京都大田区
主な事業 エコノミーホテルの運営
設立年 1986年
資本金 5,000万円
従業員数 11,510名
URL http://www.toyoko-inn.com

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■ 優秀賞:酒芸の極み賞

八戸酒造株式会社
sake×art 日本酒を通じた陸奥八仙の取り組み
 
活動内容
★2.蔵正面.jpg
青森県八戸市湊地区にある八戸酒造の敷地内には、赤レンガ蔵、漆喰土蔵、そして伝統的工法を用いた木造の主屋など、和洋が混在した6つの建造物が並んでいる。大正時代に建てられたこれらの建造物は、隣を流れる新井田川の風景とともに近代産業の繁栄を思い起こさせる町の象徴である。
1775年創業の老舗蔵元である同社は、文化庁登録有形文化財に指定されているこれらの建造物を活用し音楽やダンス、郷土芸能などの公演や美術展示などを行っている。自ら企画するものに加え広く一般公募も行い、有名無名を問わず、そこに日本酒を絡めてさらに楽しんでもらえるようにできるかという基準で独創的な表現者を受け入れている。
この活動のきっかけは、青森県産の原材料にこだわり生まれた同社の日本酒の銘柄「陸奥八仙」にある。地域の資源を活かした陸奥八仙の魅力を消費者に伝える取り組みの中で、同社による地域活性のための活動が始まった。その一つが自社の特徴である蔵を活用したイベントである。そのほか、八戸に残る里山「蟹沢(かにさわ)」で清水の保全活動から田んぼの再生やオリジナルの酒づくりを行う「がんじゃ自然酒倶楽部」は、全国から約200名が会員となり活動している。日本酒が人々をつなぎ、地域のにぎわいが増している。
―おいしい日本酒をお客さんに楽しんでもらいながら、自分たちの音楽を披露できる、とても“サイトスペシフィック”な体験―これは八戸酒造で実際に演奏を行ったアーティストの言葉だ。公演の際にはアーティストと観客が陸奥八仙を飲み交わす。イベントは観光客を八戸に呼び込み、また、同社の酒を知ってもらうきっかけにもなっている。八戸と陸奥八仙、そして文化芸術が結びつき相乗効果が生まれている。

評価ポイント
自社の歴史的建造物を活かしイベントを行うことにより、地域の観光拠点となり地域活性に寄与している。
酒造り体験をはじめ、日本酒を通じてアーティストと観客、観光客などさまざまな人々の交流を生んでいる。
 
企業プロフィール (2018年10月現在)
企業所在地 青森県八戸市
主な事業
日本酒の製造・販売
設立年 1775年
資本金 2,000万円
従業員数 30名
URL https://www.mutsu8000.com/

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■ 優秀賞:瞬間の芸術賞

富士フイルム株式会社
「写真の過去・現在・未来」を発信し、「人」と「人」をつなぐ
FUJIFILM SQUARE(フジフイルム スクエア)の活動
 
活動内容
写真_活動紹介富士フイルム_①.JPG富士フイルムは、写真文化を守り、育むことを目指し、1957年銀座に「富士フォトサロン」を開設した。プロ・アマチュア問わず優れた作品を銀塩プリントし、写真の魅力を最大限に伝えるサロンは、作品づくりを志す人が「いつかは富士フォトサロンで」と目指す写真発表の場となった。
21世紀に入り、デジタル化による写真フィルム市場の激減で業界全体が岐路に立たされる中、同社は写真事業の継続を宣言。六本木への本社移転と同時に、サロンに写真の歴史とカメラの進化を学べる「写真歴史博物館」などを併設し、「フジフイルム スクエア」としてオープンした。さらに創立80年の2014年には、幕末・明治~2000年代の日本の写真史を飾った101人の作家の作品を収蔵・公開する「フジフイルム・フォトコレクション」に取り組む。コレクションは全国の美術館・博物館に無償で貸し出され、芸術作品としての価値を伝え、日本の写真史の体系的な理解を助ける教科書的な役割を果たしている。
17年は開館10周年を迎え、「写真の過去・現在・未来」を発信する12本の特別企画展を行った。「フジフイルム・フォトコレクション展」や、世界と日本に多大なる影響を与えた風景写真家「アンセル・アダムス展」、現代の写真家が最新ミラーレスデジカメや「写ルンです」で撮影した作品展、人気インスタグラマーの写真をプリントしSNSとは異なった作品表現を試み、写真の新たな可能性を追求する写真展などを開催した。鑑賞サポートにも積極的で、ギャラリートークや上映会のほか、同社技術系OBがコンシェルジュとなって、写真の歴史などの解説ツアーを毎日開催している。
写真を通じて一人ひとりの心がつながる素晴らしさを伝え、写真という美しい文化を明日につなぐ挑戦は、これからも続いていくのだ。

評価ポイント
長年にわたり、人と人の心がつながる感動体験を伝え、写真文化の普及と発展に貢献している。
時代を捉えながら、文化財として写真の価値を継承し、可能性を追求し続けている。
 
企業プロフィール (2018年3月現在)※富士フイルムホールディングス(株)のデータ
本社所在地 東京都港区
主な事業 イメージング ソリューション、ヘルスケア&マテリアルズ ソリューション、ドキュメント ソリューションの開発、製造、販売、サービス
設立年 1934年(2006年富士写真フイルム(株)から商号変更)
資本金 404億円
従業員数 77,739名(連結)
URL https://www.fujifilmholdings.com

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■ 特別賞:文化庁長官賞

ぺんてる株式会社/キヤノンマーケティングジャパン株式会社
校舎の思い出プロジェクト
 
活動内容
写真_活動紹介ぺんてる・CMJ_①.JPG「校舎の思い出プロジェクト」は、ぺんてるとキヤノンマーケティングジャパン(以下キヤノンMJ)が、建て替えや統廃合により取り壊される校舎での最後の思い出づくりをサポートするプロジェクト。きっかけは、池袋にある小学校が取り壊されるにあたり、「何か思い出に残ることをしたい」とぺんてるが相談を受けたことに始まる。校舎全体をキャンバスとして絵を描くことを提案し、そして完成の記念に写真を撮ろうと、キヤノンMJに協力を依頼。2014年、両社がそれぞれ行っていた取り組みを発展させた形で実現した。学校や地域から高い評価を得て、2社共同の新たな活動モデルとして展開、17年までに18校で行っている。
全国の小学校から応募を受け、2社で訪問・打合せを重ね、校舎の歴史や生徒数、スケジュールに応じたサポートをする。ぺんてるは絵の具やくれよんを寄贈し、児童をはじめ、保護者、卒業生、近隣住民が一緒になって、普段は描くことの出来ない場所に校舎への想いを自由に表現し、思い出を「つくる」活動をする。キヤノンMJは、一眼レフカメラを児童に貸し出し、操作方法も指導。壁画作品を大判プリンターで出力・額装するほか、児童が撮影した制作風景をフォトブックにして渡し、思い出を「のこす」活動を行う。
子どもたちは体験する楽しさを共有することで、新たな想像力が育まれるとともに、地元アーティストや青年会など地域との触れ合いを通じて、校舎への愛着や誇りも増していく。異業種である2社が協力し、強みを活かすことで、より大切な思い出として刻まれている。
施設の老朽化や少子化に伴い、小学校の統廃合が増えている中、育った学び舎の長い歴史に「ありがとう」の気持ちを込めて。想いをかたちにした体験は、明るい未来に向かって、永遠に残り続けるだろう。

評価ポイント
異業種同士の協働により、相乗効果の高い独自のプログラムを展開し、子どもたちの豊かな感性を育んでいる。
地域や各世代が主体的に参加でき、活動を発展させていく場をつくり上げている。
 

企業プロフィール 

ぺんてる株式会社 (2018年3月現在)
本社所在地 東京都中央区
主な事業 文具事務用品(画材、筆記具など)の製造販売事業
設立年 1946年
資本金 4億5,000万円
従業員数 706名(単体)
URL http://www.pentel.co.jp/
キヤノンマーケティングジャパン株式会社 (2018年4月現在)
本社所在地 東京都港区
主な事業 キヤノン製品ならびに関連ソリューションの国内マーケティング事業
設立年 1968年
資本金 733億300万円
従業員数 5,461名(単独)
URL https://cweb.canon.jp/corporate/index.html

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