メセナアワード

メセナアワード2026

[大賞]メセナ大賞

第一生命保険株式会社/株式会社第一ライフグループ
サラっと一句!わたしの川柳コンクール

活動地域:全国各地

活動内容

2025年度ベスト10発表式(第一生命保険 日比谷本社ビルロビー)

2025年度ベスト10発表式(第一生命保険 日比谷本社ビルロビー)

五・七・五の十七音に、日常の出来事やその時々の思いを込めて詠んだ川柳を全国から募る「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」(通称:サラ川(せん))は、今回で40周年を迎える。もともと第一生命保険の社内企画の川柳コンテストとして始まり、1987年から「サラリーマン川柳コンクール」の名称で一般公募を開始した。毎年の世相を反映したベスト10の発表は、各種メディアでも広く伝えられている。
2018年からは地域活性化や地域の魅力発信を目的として、各地の自治体などと連携して「地元サラ川」も開催しており、活動の幅を広げている。
さらに、2022年度(2023年発表分)、名称を「サラリーマン川柳コンクール」から現在の「サラっと一句!わたしの川柳コンクール」へ変更した。これにより、より幅広い世代や属性の人々が参加しやすくなり、その年の社会の動きや流行を反映した多様な句が寄せられるようになった。2025年も5万4,302句の応募が寄せられ、サラ川はより多くの人々に親しまれるコンクールへ進化している。
川柳は、江戸時代に俳諧から派生した日本の短詩型文学であり、「穿(うが)ち」「おかしみ」「軽み」といった要素を重視し、人情や社会風刺を詠む日本独自の大衆文学として発展してきた。人々の思いや社会の変化を映し出す鏡として川柳を広めるとともに、SNSなど情報があふれる現代において、言葉の力や価値をあらためて認識させていることも、サラ川の大きな特徴といえる。
40年にわたり世相を映し続けてきたサラ川。その歩みは、人々の暮らしや価値観、社会の変化の歴史ともいえる。今後も人々の思いや時代の変化を共有し、相互理解や共感を育む取り組みとして、さらなる発展が期待される。

受賞理由

誰もが参加しやすく、社会全体の相互理解や共感を育む取り組みを、時代に対応しながら長年継続している。
江戸時代から続く川柳の文化を継承し広めるとともに、言葉が持つ力や価値への理解の深まりを促している。

企業プロフィール

第一生命保険株式会社
本社所在地:東京都千代田区
設立年:1902年
資本金:600億円
従業員数:4万6,447名
主な事業:生命保険業(個人・法人向け各種保険の販売・保全等)
URL:https://www.dai-ichi-life.co.jp/
(2026年3月末時点)

株式会社第一ライフグループ
本社所在地:東京都千代田区
設立年:1902年
資本金:3,447億円
従業員数:702名
主な事業:国内保険事業・海外保険事業・アセットマネジメント事業等
URL:https://www.daiichilife-group.com/
(2026年3月末時点)

[優秀賞] ―新たな芸術文化をつくる人を育む―

一般財団法人神山財団
全国の芸術分野の大学院へ通う次世代の才能溢れる人材への奨学支援事業

活動地域:東京都、全国各地

活動内容

年一回、全奨学生280名を対象に開催する
作家活動に関する勉強会および交流会

半導体事業などを手がけるマクニカの創業者・神山治貴氏により、2013年に設立された神山財団は、「文化の向上・芸術の振興に貢献でき、芸術が本来持つ“癒し”を追求する人材の育成事業」として、全国の美術系大学院に通う次世代の才能あふれる学生を対象に奨学支援する「芸術支援プログラム」を2014年より実施している。2026年までの13年間で累計280名の奨学生を支援してきた。
同プログラムでは、奨学生に対して最長2年間にわたり総額60万円の奨学金を支給している。さらに、「財団主催の作品展へ出展する資格の付与」「奨学生同士によるグループ展開催の補助」「作家活動に関する勉強の機会や、同財団の奨学生との交流の場の継続的な提供」などのサポートも行っている。
たとえば、2025年には渋谷で奨学生による作品展「第11回 KAMIYAMA ART Exhibition」を開催。約950名が来場し、若手作家と来場者が交流する双方向コミュニケーションの場も創出した。
また、2024年には、上野の森美術館で財団主催の「KAMIYAMA ART カドリエンナーレ」を開催し、歴代の奨学生であるアーティストが作品を発表する機会を提供した。同展覧会は、年代を超えて多様な人々が芸術に触れる機会を提供すべく、入場料・図録配布も含めて無料で開催され、約4,800名が来場した。2024年の開催を第1回とし、今後も4年に一度の開催が予定される。
このほか、奨学生と卒業生を対象とする勉強会や交流会なども実施している。こうした継続的かつ多面的な支援は、日本の芸術文化の未来を担う若手アーティスト育成に大きく貢献している。

受賞理由

国内の若手アーティストを育てること、支えることで日本美術の発展に貢献している。
若手アーティストへ発表の場を提供するとともに、広く人々が芸術に触れる機会も創出し、鑑賞者の裾野を広げている。

団体プロフィール

一般財団法人神山財団
団体所在地:神奈川県横浜市
設立年:2013年
正味財産:457億円
職員数:4名
主な事業:健全な社会づくりに貢献できる次代を担う人材の育成事業
URL:https://www.kamiyama-f.jp/
(2026年9月時点)

[優秀賞] ―移ろうファッションを文化財にし、次の美へつなぐ―

公益財団法人京都服飾文化研究財団/株式会社ワコールホールディングス
西洋服飾関連資料の収集・保存・研究と企画展の開催

活動地域:京都府、全国各地、海外

活動内容

「LOVEファッション・私を着がえるとき」展
(会場:京都国立近代美術館) ©KCI 福永一夫撮影

京都服飾文化研究財団は、現代ファッションとその源流の西洋服飾や関連する文献・資料を体系的に収集、保存、研究し、その成果を社会に発信することを目的とする研究機関で、1978年にワコールの出捐によって設立された。
特に18世紀から現代に至る服飾関連のコレクションを充実させており、衣服など約1万3,000点、関連資料約2万点を収蔵している。光・湿度などの環境リスク、汗・皮脂によるダメージ、補修技術の専門性などから、衣服の文化財としての保存は難しい中、同財団はその膨大なコレクションを維持している。
また、公開活動として、国内外の美術館と連携した企画展や財団が運営するKCIギャラリーで、収蔵品の展示や研究成果の発表を行っている。
2024年から2025年にかけては、「LOVEファッション―私を着がえるとき」展を開催。京都国立近代美術館、熊本市現代美術館、東京オペラシティ アートギャラリーと共同で開催し、着る人の情熱や願望=「LOVE」を、財団のコレクションと現代アート作品の展示を通じて明らかにし、装うことのおもしろさや奥深さの再認識を促した。また、三菱一号館美術館との共催で「アール・デコとモード 京都服飾文化研究財団(KCI)コレクションを中心に」展も開催した。さらに、これらの展覧会の関連プログラムとして講演会なども開催し、研究活動の深化と普及にも取り組んだ。
近年は財団のサイトやSNSなどを通じて、展覧会のギャラリートークや設営風景などの動画も発信しており、海外からのアクセスも多い。同財団の活動は、ファッションと私たちをつなぐとともに、ファッションへの向き合い方を問いかけ続けている。

受賞理由

文化財としての保存が難しいといわれる衣服を収集・保管し、貴重なコレクションを形成している。
国内および海外の美術館とのネットワークを構築し、ファッションの研究を深め、公開活動を行っている。

団体プロフィール

公益財団法人京都服飾文化研究財団
本社所在地:京都府京都市
創業年:1978年
正味財産:30億8,365万4,642円
従業員数:10名
主な事業:17世紀以降の西洋服飾資料の収集・保存・研究・公開事業
URL:https://www.kci.or.jp/
(2026年3月末時点)

企業プロフィール

株式会社ワコールホールディングス
本社所在地:京都府京都市
創業年:1949年
正味財産:132億6,000万円
従業員数:1万4,784名(連結)
主な事業:インナーウェアを中心とする繊維製品および関連製品の製造・販売
URL:https://www.wacoalholdings.jp/
(2026年3月末時点)

[優秀賞] ―記憶に残る香りの文化で五感をひらく―

高砂香料工業株式会社
高砂コレクション®ギャラリー

活動地域:東京都

活動内容

高砂コレクション®ギャラリー 展示室

高砂コレクション®ギャラリー 展示室

「香りは文化である」という考えのもと、高砂香料工業は東京都大田区の本社オフィス内に、高砂コレクション®ギャラリーを開設し、文化活動の一環として運営している。高砂コレクション®は、水戸徳川家伝来の香道具「梅松蒔絵十種香箱」を1964年に譲り受けたことを契機に始まり、1990年代からは香りや香料に関する資料の本格的な収集を開始した。現在では、古代オリエントの香油瓶から20世紀の香水瓶、日本の香道具や香木、香りに関する絵画・ポスターまでを含む幅広いコレクションへと発展している。
高砂コレクション®ギャラリーでは、同コレクションの一部を無料で公開しており、常設展示に加え、2024年からは香りをテーマとする企画展の開催も開始した。
2025年には、日本における香文化を紹介する企画展「日本の雅―香文化の1400年」を開催。仏教の伝来とともに大陸から伝わり、日本で独自の発展を遂げた「香」の文化を体系的に紹介した。また「聞香体験会」や「香文化セミナー」も実施し、各回とも定員を大幅に上回る申し込みがあるなど、好評を博すイベントとなった。
現代社会では、インターネットやスマートフォンの普及により、視覚と聴覚を介して得られる情報が増加するものの、他の身体的体験は減少しているといわれる。一方で、香りの文化は古代より人間の営みに寄り添って発展してきたものであり、生活に香りを取り入れることは、人々のウェルビーイングの向上にもつながる、と考えられている。
高砂香料工業は、高砂コレクション®ギャラリーの活動を通じて、香りの文化的価値を発信することにより、人々がより豊かに生きるための機会を提供している。

受賞理由

古代から人間の営みとともにある香りの文化を、充実したコレクションとともに体系的に整理し、その価値に光をあてている。
現代社会をよりよく生きるために、香りの大切さを再認識する場を提供している。

企業プロフィール

本社所在地:東京都大田区
設立年:1920年
資本金:92億円
従業員数:4,443名
主な事業:フレーバー、フレグランス、アロマイングリディエンツ、ファインケミカルの製造・販売(輸出入を含む)
URL:https://www.takasago.com/
(2026年9月時点)

[優秀賞] ―危機にある伝統と先端技術が出会い、未来を創る―

ヤマハ株式会社
沖縄三線文化継承プロジェクト-技術貢献と共創-

活動地域:東京都、静岡県、沖縄県

活動内容

職人と研究者が、楽器・感性研究で培った技術・知見を基に対話を重ねる

職人と研究者が、楽器・感性研究で培った技術・知見をもとに対話を重ねる

ヤマハは、企業理念「感動を・ともに・創る」のもと、技術で文化に貢献するため、2023年より沖縄県三線製作事業協同組合、沖縄県立芸術大学、琉球大学と共同で研究を進める「沖縄三線文化継承プロジェクト」に参画している。
同プロジェクトには、材料の枯渇や職人の後継者不足、海外産三線とのすみわけなど、三線にかかわるさまざまな社会課題を解決するため、職人・演奏家・研究者ら多様な専門家が集結。ヤマハは楽器と感性研究のプランニングおよび技術提供の役割を担う。
三線の製造や教育に携わった経緯はないが、ヤマハは総合楽器メーカーとして長年「モノ(楽器)」と「ヒト(感性)」の研究を重ねてきた。その技術・知見や実験施設・計測機器などを積極的に活用し、材料・楽器のふるまい・感覚・音色の表現語など幅広いテーマに取り組み、伝統と先端技術を掛け合わせた創造的な課題解決に貢献している。
「研究」と「社会実装」の2つの軸で、2025年度は職人の繊細な感覚で調整される皮の張り加減を「音」を用いて数値化するとともに、独自材によるパーツ(カラクイ)の試作を実施。また自社保有の銀座・ヤマハホールにてレクチャーコンサートを開催した。
同コンサートは、第一部の取り組み・研究を紹介する講演と、第二部の専門家の解説を交えた実演で構成。参加者にとって、三線をとりまく文化や音色の多様さを研究と演奏の両面から体感し、伝統を未来へつなぐことに思いをめぐらせる機会となった。
ヤマハは、地域や伝統文化との共創を通じて知見を蓄積しながら、企業が伝統文化の未来を「ともに創る」ロールモデルの一つとして、先駆的な役割を果たしている。

受賞理由

自社の技術や施設・設備および知見を活用し、地域の伝統と文化の維持・活性化に貢献している。
地域の団体や大学などと連携・共創し、研究結果の社会実装を目標として取り組んでいる。

企業プロフィール

本社所在地:静岡県浜松市
設立年:1897年
資本金:285億3,400万円
従業員数:1万7,886名(ほか、平均臨時雇用者数:5,730名)
主な事業:楽器事業、音響機器事業、その他事業
URL:https://www.yamaha.com/ja/
(2026年3月末時点)

[優秀賞] ―美味しい、豊かな時間をつくり続ける―

株式会社六花亭
ふきのとうホール・真駒内六花亭ホール・はまなしホールのコンサートシリーズ

活動地域:北海道

活動内容

221席の室内楽ホール「ふきのとうホール」

221席の室内楽ホール「ふきのとうホール」

北海道帯広市に本社を構える六花亭は、「お菓子は文化のバロメーター」という思いを文化活動の原点とし、児童詩誌「サイロ」の発行や六花の森・中札内美術村の運営など、多くの企業メセナを実践しており、ホールの運営や主催コンサートの開催などの音楽支援も文化活動として長年続いている。
同社の音楽支援は、1982年に帯広本店2階の喫茶室でサロンコンサートを開いたことをきっかけに始まった。現在、同店の4階には「はまなしホール」が設置されている。広間に演奏者のためのひな壇と椅子が設置されるサロンコンサート用のホールで、演奏者との距離の近さが魅力的なホールである。
「ふきのとうホール」は、2015年、札幌本店6階に開館した全221席の室内楽専用ホールであり、開放的なロビーにはふきのとうを描いたフレスコ画の壁面が広がっている。近隣の音楽教室が発表の場を探している、という情報が六花亭に伝わり、札幌本店の開業計画にホールが盛り込まれたという。室内楽に特化した音響設計が施され、東日本大震災があった3月11日には、毎年、「鎮魂」コンサートを開催。また、若い音楽家をレジデントアーティストとして迎え、世界へ羽ばたく音楽家の育成・支援にも取り組んでいる。
「真駒内六花亭ホール」は、通常は店舗として営業しているが、2カ月に一度、室内楽ホールへ姿を変え、休憩時には特製のデ・セールが提供される。
地域に根ざす建築や文化を「社会資本」とみなし、企業として社会資本づくりを続ける六花亭の経営哲学は、北海道の自然を映すお菓子とともに、文化の香り豊かな時間を生み続けている。

受賞理由

ホール運営やコンサート開催、レジデントアーティスト制度などを通じて、音楽文化の普及および振興に貢献している。
お菓子づくりとともに、文化を育てる取り組みが、地域の豊かさを育んでいる。

企業プロフィール

本社所在地:北海道帯広市
設立年:1933年
資本金:4,250万円
従業員数:1,266名
主な事業:和洋菓子製造・販売
URL:https://www.rokkatei.co.jp/
(2026年7月時点)

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